白神山地を知っていますか?


白神山地(しらかみさんち)

白神山地は青森県・津軽平野の南西部と秋田県北西部にまたがる東北日本海側の多雪地帯に位置します。

植生は、 ブナクラス域に含まれます。 いわゆるブナ林です。 人里に近いところや林道に隣接したところは、 スギを主体とした針葉樹の人工林(とくに秋田県側)や、 ミズナラを主体とする天然性二次林がみられます。 ブナ林の林床の大部分はチシマザサに覆われ、 ブナ(F.crenata)以外の樹種としてはカエデ類が多く見られます。 そのため、 付近の紅葉はなかなか見物です。

とはいえ、白神のブナ林は珍しい高山植物があったり、 景勝地だったりというわけではありません。 二ツ森の山頂から原生林を眺めると、 春の新緑や秋の紅葉はそれはそれは見事なものです。 しかし、一歩ブナ林のなかに踏み込めば、 そこは林というか森というかヤブというか、 人間にとって快適な環境ではありません。 なかには、 こういう環境に身を置くと気持が安らぐという人もいるとは思いますが。

白神山地は古くから、 地元にとってはキノコ採集なども盛んな場所で、 ブナハリタケやナラタケ、 天然(あたりまえか)のナメコなどが豊富にあります。 もちろん、 マイタケもあるはずですが、 素人ではなかなかみつけることはできないでしょう。

白神山地には、 青森県を生息北限とする哺乳動物(ニホンザル、ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ムササビ、ヤマネなど)のほとんどが生息しています。 山の中を歩いていれば、 ツキノワグマの爪痕のついたブナの木に遭遇できるでしょう。 青森県側にある赤石川周辺では、 特別天然記念物のクマゲラの繁殖も確認されています。

白神山地のブナ林のうち、 原生的なブナ林で占められている区域16,971haが1993年12月にユネスコの世界遺産として登録されました。 世界遺産に指定された核心地域は禁猟区に指定されている。 入るには、事前、あるいは当日までに森林管理署長の許可を得る必要があります。 つまり、許可を得ることができれば入ることは可能なのです。 ちなみに、漁をおこなうには漁業協同組合と森林管理所長の許可が必要です。




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